飛行機に搭乗する際に、機内に持ち込める荷物の量には限定があります。当然、それだけでは長期の留学や赴任に間に合う量の荷物は持って行けません。そこで、別途荷物を送らないといけなくなりますが、海外引越し別送荷物の送り方には、二通り有ります。一つは、FedexやDHL又は国際郵便小荷物として送る方法。DHLやFedexはデリバリーが早く先進国ならほぼ３日で手元に届きます。ただ、気をつけないといけないのは、通常の貨物扱いで送ると現地で関税が掛かる場合があり、国や物品によっては非常に高い税金が掛かるケースが有ります。もう一つの送り方として、「別送品荷物扱い」として送る方法です。今回ご紹介するのは、この別送品に関しての内容で、ほぼ世界中で税金の免除や航空チケットでも旅費を払っていると言う事で別送貨物運賃は通常運賃の半額サービス等が有ります。また、ご希望により同じ飛行機会社やルートで無くても良い場合は、もっと安い航空貨物混載サービスで別送品を送ることも可能で、自分が旅立つ数日前にホテル止めにして先に送っておく方法も…。

別送荷物は必要最小限の物を持って行く

国内の場合でもリンゴを箱ごと送ったりすると千円～２千円と掛かりますが、国際便の場合は運賃負担が見過ごせない金額に成りますので必要最小限にしましょう。（運賃計算は重さKG単位です。）また、ワシントン条約で定められた動物の皮・骨・象牙等で作られた商品は現地の税関手続きでトラブルに成りダンボールごと入手できない場合もありますので、要注意。
金品(指輪など)は手荷物として持って行きましょう！
また、余りにも性能が良すぎるIC回路を装備した製品や戦略軍事物資として転用できる部品などは、海外に持ち出せない指定国と品目リストが有ります。(詳細については、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部貿易審査課（TEL 03-3501-1659）にお問い合わせください。)

一般的に留学生や赴任される皆さんが別送航空貨物としてよく持っていく物とは？

比較的に良く持っていく航空貨物別送品としては、ヘアドライヤー、アイロン、インスタント食品、衣類、小型家電製品(ゲーム機、ノートパソコン)、と言った所ですが、忘れてはいけないのが左図の様なトランスです。海外でもノートパソコンやドライヤー等は必需品として使用される方が多い様ですので、留学先現地の電圧を日本製の家電製品でも使えるようにしなければ動きません。特にパソコンは、電源部やマザーボードが一度焼け飛んでしまうと電圧が違う日本製品は、交換部品そのものが入手困難。また、冷蔵庫や洗濯機など大型家電を船で別送される方は、簡易タイプでは間に合いませんので、大容量トランスを持って行かれることをオススメ致します。
参照：国別コンセント形状と電圧

Step1「荷物の梱包と品名リスト」

長距離の輸送に耐えられるような、やや厚手のダンボール箱(できれば無地)を準備します。できれば、梱包後の１箱単位の重さは、女性でも運べる程度が理想です。通関の際に品名リストが必要ですので、梱包される際には、商品名や内容量等をメモしておきましょう。税関提出用のインボイス作成が終わるまでは、箱の蓋を閉めないで下さい。後で必ず見直す作業が発生します。

Step2「発地税関と着地税関共通の提出用の書類作成」

(Invoice作成見本.Exlsダウンロード)
商品によっては、その性能を税関から聞かれる事が有りますので、皮製のサイフが入っている場合等は、ワシントン条約違反疑いなどにならない様に「Cow's Skin Used(牛皮使用)」と入れたり、ノートパソコンの場合は、処理能力や性能が戦略物資転用が利かない普通のパソコンである事を示す為にメモリーやハードディスク容量等の規格を入れておいたほうが書類審査でひっかからないで済みます。もし、商用出張で戦略部品を疑われるような商品を入れる場合は商品カタログや公的証明書(経産産業省)等を予め準備しましょう。(自由主義諸国は不要な場合が多いですが、中国を始めとする共産主義国や中東の紛争地帯に関しては、ゲーム機でさえも処理能力が高いと通産省の許可が必要な場合が有ります。例=xbox)また、インボイスの内容明細はダンボール箱単位で記入しましょう。例えば、1番の箱には何と何が幾つ入っていて、2番の箱には何が幾つ入っているなどと言う具合です。インボイス作成と梱包が終わりましたら、①航空チケットコピーと②パスポートコピー③査証ビザコピーを準備して（通常は何も言われませんが、不備や記載上の疑わしい荷物が有ったりすると、税関から提出を求められる場合があるので事前に準備します）、通関士が在籍する国際航空貨物代理店へ通関と発送を依頼する際に①荷物、②サイン済みインボイス10枚程度③各種コピーを渡します。

• 荷送り人は自分、荷受人も自分、従ってインボイス書類上のFrom欄には、
  Mr.Ichirou Suzuki　などと自分の日本での住所を記入する(パスポートやVISA申請書と同じ住所)。
  宛先欄にも自分の名前を記載する To Messers: Attention of Mr.Ichirou Suzuki と表示する。
  住所は、一時的なホテルなら C/O :▲▲hotel として、予約したホテルの代表電話番号等を記載。
  ホームステイ等の場合には、C/O Mr.Duke Broom などとしてホストファミリーのお父さん気付で
  住所や電話番号等を記載する。C/Oとは、「～さん宅気付けの～さん宛荷物」の意味です。

Examples:

• From: Mr.Ichirou Suzuki
  パスポートと同じ住所
  電話番号など
• To Messers: Attention Mr.Ichirou Suzuki
  C/O: Mr.ホストファミリーのご主人名
  住所/電話番号/FAX/Email等

決済欄への記入ですが、引越し別送品なので当然決済は有りません。また、書類上の金額はあくまでも通関手続き用の金額である事を言明します。(余りにも金額を安く申告しすぎるといけません。)

【Examples】Terms of Payment:Unaccompanied Baggages of No Commercial Value, Value for customs Purpose Only.

申告する金額ですが、新品(ラーメン)などは、1Pack(5Piece) JYE320.00などと、普通の金額を記入。
また、衣類で普段から使っているものは、Used Necktieなどとして安く申告するのは問題ありません。ですが、余りにも同じ種類の衣類を大量に持ち込もうとした場合には、別送品として認められない場合があり、虚偽の申告として現地通関でトラブル(没収または追徴課税のような)可能性が有ります。また、良くある笑い話ですが、GlassとGrassをタイプミスするとえらい目に合いますので、スペルミスには気をつけましょう！（大量にの意味=通常個人で使う程度の量。例えば、ワイシャツなら、一週間分～10日分としても7着～10着と言った所でしょう。これを100着持ち込もうとして申告した場合には、個人で使用する量とは認めがたいとしてアウトに成る可能性が大です。）

ダンボール単位で10箱～20箱と、別送荷物を持っていかれる方は、インボイスの他に【Packing List】と呼ばれる梱包明細書を作成する必要が有ります。ですが、通常は皆さん必要最小限を持っていかれるので１～3箱程度ですので、インボイスと梱包明細書を兼ねてインボイスにまとめても良い事に成っています。Carton No.1に何が幾つ入っていて金額は幾らなのか、Carton No.2には何が幾つ入っていて金額は幾らなのか・・・を記載しなければなりません。ですので、箱には宛先住所の他にも、箱番号をマジック等で書き入れ税関が検査する際に、解るようにする必要が有ります。

日本通運株式会社｜ヤマト運輸｜阪急阪神エクスプレス
他にも沢山有って、紹介しきれないので代表的な会社(海外主要都市に日本人駐在員が居てフォローしてくれる)を5社紹介しておきます。日本の物流をリードする大手ですので、安心してお任せできると思います。